カガミクリスタルの匠の技
カガミクリスタルでは、色鮮やかな色クリスタルを独自の製法で製作しています。
純金やコバルトなどの原料を溶かし込んで発色させたクリスタルガラスを、透明なクリスタルガラスの上に薄く被せ(かぶせ)ています。
表面にカットを施すことにより、色と透明な部分との優美なコントラストが生まれるのです。
特にカガミクリスタルの赤の色被せクリスタルガラスは、純金を使うのが特徴で、金赤色と呼ばれ、冴えた色調で、無色透明なクリスタルとひときわ美しいコントラストを創り出します。
カガミクリスタルは、独自の製法で鮮やかな色被せクリスタルを製作しています。
そのため他の色被せクリスタルに比べて、赤色のものはお値段が高めになっています。
江戸時代末期、江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛が手がけた切子細工が今日の江戸切子の始まりといわれています。
町民文化のなかで生まれた江戸切子は、江戸時代のおもかげを色濃く残し優れた意匠や技法の数々は、現代に至る180年もの間、切子職人たちによって受け継がれてきました。
カガミクリスタルではさまざまな伝統の文様を基本に、新しい江戸切子の組み合わせや構成、新たな意匠による現代の江戸切子を作り出しています。そしてその江戸切子は、カガミクリスタルの切子士と共に、伝統工芸士の方々の協力を得て制作されています。
代表的な切子模様
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魚子(ななこ)切子面の細かな光の反射が、魚のうろこのようにきらめく様子から。 |
六角籠目(ろっかくかごめ)切子のラインが、竹籠の六角形の網目と似ているところから。 |
八角籠目(はっかくかごめ)竹籠の八角形の網目から六角籠目と並び江戸を強く感じさせ、多用されている。 |
四角籠目(しかくかごめ)切子のラインが竹籠の四角形の編目と似ているところから。 |
麻の葉(あさのは)切子の交差が麻の葉の形になるところから。江戸小紋などにも用いられる伝統的文様。 |
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矢来(やらい)矢のように降る雨(矢来の雨)、または、竹垣の竹の交差に似ているところから。 |
七宝(しっぽう)両端のとがった長楕円形をつないだ連続模様。七宝つなぎという伝統文様のひとつから |
星(ほし)縦、横、斜に切った模様が星を思わせることから。八菊(はちぎく)ともいわれる。 |
菊つなぎ(きくつなぎ)切子の細かな交差の連続が、菊の花の連なった様子を思わせるところから |
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日本の伝統を伝えられる江戸切子なら、海外の方への贈り物、お土産として必ず喜ばれます。
黒船で日本にやって来たペリー提督も、加賀屋久兵衛が納めた江戸切子を見て、文明が遅れていると思っていた日本の素晴らしい技術に、大変驚いたと伝えられています。
小紋柄が広く染められるようになったのは江戸時代です。はじめは武士の礼装である裃(かみしも)の模様でしたが、江戸時代中期には町民文化の自由で粋な感性を受け、庶民の間でも用いられ華やかに発展しました。
江戸小紋は、長い伝統に培われた技術によって生み出され、その微細な幾何学模様と単彩な中にも格調高い趣をもつところに特徴があります。色被せクリスタル(むらさき)+江戸切子+江戸小紋の融合は唯一無二の逸品としてご愛顧いただければ幸いです。
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七宝紋輪が四方に広がっている事から「しっぽう」となり、どこまでも繋がっていることから、限りなく伸びる縁起の良い文様と言われ、吉祥柄とされています。 |
鮫紋「鮫 紋」は江戸小紋三役の中のひとつ、江戸小紋を代表する文様で、伊勢型紙の紀州徳川藩の定め柄として知られています。 |
市松花菱紋江戸時代の歌舞伎役者「佐野川市松」が舞台で袴の柄として用いたところ大流行し、当時の女性はこぞってその文様の小袖を着たと言われ、その後、「市松文様」と呼ばれるようになりました。 |
亀甲花菱紋正六角形が亀の甲羅に似ている所から亀甲と呼ばれています。亀がおめでたい動物とされており、また長寿の象徴としても吉祥柄とされています。 |
菊菱紋菊が整然と斜めに交差して並ぶ、清々しく美しい菊菱紋は「加賀前田藩」の定め柄として多く知られています。 |
<伝統工芸士制度>
20年以上の執務経験と高度な技術、技法をもつ技術者の中から作品審査を伴う組合の検討推薦、申請、都伝統工芸品産業振興協議会の厳しい審査を経て、「伝統工芸士」として認定されます。
江戸の粋を今に伝える伝統的な切子模様を得意とする菱切子の達人
木村 秋男デザイン商品
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プロフィール
1931年 神奈川県生まれ。
1948年 (資)木村硝子工業所入社、伯父 木村文蔵に師事する。
1955年 木村硝子工芸を設立し、以後数多くの賞を受賞する。
1989年 東京カットグラス工業協同組合理事長に就任し、江戸切子が伝統工芸品として東京都から認定を受ける際に大きく貢献する。
1992年 東京都知事より伝統工芸士として認定を受ける。
1993年 東京都功労者知事表彰を授章。
1996年 黄綬褒章を授章。
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江戸切子を広く世に伝承していきたいという信念のもと、江戸初期から伝わる古典的な文様を追求しており、江戸切子本来の図柄を多く作品に取り入れています。
手に持つと痛いくらいの深彫りを好み、細かな文様と大胆なカットとの組み合わせが作品の特徴です。
また素材には、光沢感や透明感に優れたクリスタルガラスを使用しています。
「江戸切子の素材はクリスタルが最高。透明で光沢があり、深彫りをさらにいかします。器の形にふさわしい彫りがバランスよく施されていることが大切です。」とは木村氏の言葉です。
深彫りによっていっそう輝きを増した江戸切子の文様と、手に持ったときの圧倒的な存在感をお楽しみいただける達人の逸品です。
最高の技術を道具を持つといわれる技が生むまねの出来ない繊細さと独創性
篠崎 清一デザイン商品
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プロフィール
1932年 群馬県生まれ。
1948年 (株)清水硝子入社。その後、技術の取得のため3社で修行しる。
1989年 東京都知事から伝統工芸士認定を受ける。
1990年 東京カットグラス工業協同組合主催江戸切子新作展にて江東区長賞 受賞。
1992年 江戸切子新作展にて優秀賞 受賞
1995年 江戸切子新作展にて組合理事長賞 受賞
2000年 江戸切子新作展にて東京都労働経済局長賞受賞など数多くの受賞経歴を持つ。
現在もその高い技術力で、美しく独創性あふれる作品を生み続けている。
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切子はおもに幾何学的な彫りを入れていく技法で、江戸切子においても伝統的といわれるのは魚子や籠目といった幾何学文様です。
その中にあって、篠崎氏の生み出した花模様などの意匠は独創性あふれる斬新な作品と評されています。独特の花模様は刺繍からインスピレーションを得て生みだされました。
そして、緻密に計算されたキレのある小さく深いカットには、かなりの技術力を必要とします。
「彫りの深さ、太さ、角度が一定でないと一点で交わることになりません。
手加減ひとつで決まってしまうカットは、熟練した職人でもとても神経をつかう仕事です」とは篠崎氏の言葉です。
切子職人の中で最高の技術と道具を持つといわれている篠崎清一氏にしか出来ない繊細で完成度の高い作品は、江戸切子の新しい可能性を感じさせてくれます。
現代の名工がつくりだす自然をモチーフにした大胆で繊細な切子の世界
根本 幸雄デザイン商品
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プロフィール
1936年 東京都生まれ。13歳で江戸切子職人の道へ。
1950年 田村徳蔵氏に師事する。
1959年 根本硝子工芸設立。
1980年 日本伝統工芸新作展入選・日本伝統工芸展入選
1988年 東京都知事より伝統工芸士に認定される。同年コーニング美術館(ニューヨーク)New Glass Review 9に選定される。文化庁長官賞、東京都知事賞をはじめ数多くの賞を受賞。
2006年 現代の名工(厚生労働大臣により表彰された卓越した技能者)に選出される。
2009年 黄綬褒章を授章。 現在も息子の達也氏と弟子と共に作品をつくりながら、日本工芸会正会員として切子の伝承などにも力をそそいでいる。
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自然をモチーフにしており、優美でやさしい印象をうける根元幸雄氏の作品ですが、それを表現するのには多様な彫りを自在にあやつる卓越した技術が必要です。
そのため江戸切子の伝統技法だけではなく、さまざまな技法を取り入れています。
なかでも、薄いグラスにほどこす「ぼかし」といわれるカットの縁がぼけたように見える彫りは、並の職人ではできるものではありません。
「腕のよい職人は彫りの深さ、太さを自在にあやつります。勢いがあり、多様な彫りを刻める確かな技術が、大胆で繊細な"切子"の世界を創りだすのです」とは根本氏の言葉です。
「現代の名工」にも選出された、技術力と芸術性の高い洗練されたデザインは贈り物としても人気の逸品です。
過去ない斬新なものづくりで様々なアイデアに夢を託す
根本 達也デザイン商品
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プロフィール
1963年 生まれ。東京都出身。
1983年 (有)根本硝子工芸 入社。 同年、日本伝統工芸 武蔵野展 入選
1985年 日本伝統工芸 第七部会展 入選。 同年、日本伝統工芸 新作展 入選
1986年 日本伝統工芸展 入選
1989年 日本伝統工芸 選抜展 入選
1991年 江戸切子新作展 実行委員長賞 受賞
1992年 江戸切子新作展 理事長賞 受賞
1993年 江戸切子新作展 理事長賞 受賞
1996年 東京ガラスアート展 入選
2002年 江戸切子新作展 理事長賞 受賞
2003年 江戸切子新作展 江東区優秀賞 受賞
2004年 江東区優秀技術者 認定
2007年 経済産業大臣指定 伝統工芸品 伝統工芸士に認定
2008年 第8回伝統工芸士会 作品コンクール 関東伝統工芸士 会長賞 受賞
2009年 第12回日本伝統工芸士会 作品展 (財)伝統工芸的工芸品産業振興協会 会長賞 受賞
2011年 日本のカットガラスの美と伝統展 出展(町田市立博物館)
2016年 東京仕事プロジェクト 優秀賞 受賞
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【座右の銘】
モチーフにこだわらず今までのセオリーにプラスして自然との融合、様々なアイデアに夢を託す。
父より受け継いで来た伝統を守りつつ、自分流の感覚と意匠。今までに無い斬新なものづくりは新しい歴史を創ります。
素材の特性を生かし切子の美しさを求める
篠崎 英明デザイン商品
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プロフィール
1959年 生まれ。東京都出身。
1981年 (有)篠崎硝子工芸所 入社
1996年 東京カットグラス工業組合主催 江戸切子新作展 江東区議会議長賞 受賞。同年、東京ガラスアート展 佳作入選
2000年 江戸切子新作展 江東区長賞 受賞
2001年 (財)札幌市芸術文化財団・読売新聞 北海道支社主催 「ビアマグランカイ3」作家激励賞 受賞
2002年 東京都知事より伝統工芸士に認定
2004年 第二回 金津創作の森「酒の器・展」入選
2008年 経済産業大臣指定 伝統工芸的工芸品 伝統工芸士に認定。 同年、第四回 金津創作の森「酒の器・展」入選
2010年 第10回関東伝統工芸士作品コンクール関東経済産業局長賞 受賞
2010年 第5回金津創作の森「酒の器・展」入賞、江戸切子新作展 江東区優秀賞 受賞
2011年・2013年 経済産業大臣指定伝統的工芸品 産地委員会(実技試験)試験委員
2012年 第24回江戸切子新作展 最優秀賞(経済産業省商務情報政策局長賞)受賞
2013年 江戸切子新作展 江戸切子親善大使坂崎賞 受賞
2014年 第17回日本伝統工芸士会作品展 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会賞 受賞
2016年 江戸切子共同組合 副理事長就任
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【座右の銘】
ガラス内側に写る煌く世界。素材の特性を生かし、切子の美しさを求めて。
父の技、そして切子道具へのこだわりをしっかりと受け継ぎつつ、父とは異なった視点と感性で、独自の江戸切子を目指し作り続けます。
祖父から父、そして三代目へ受け継がれた江戸切子の職人技
鍋谷 淳一デザイン商品
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プロフィール
1966年 生まれ。東京都出身。
1992年 カガミクリスタル入社
1995年 (有)鍋谷グラス工芸社 入社
2001年 東京都知事賞 受賞
2005年 第17回江戸切子新作展 グラスウエアタイムス社賞 受賞
2008年 経済産業大臣指定 伝統的工芸品 伝統工芸士認定。 同年、第二十回江戸切子新作展 組合理事長賞 受賞
2009年 第21回江戸切子新作展 江東区優秀賞 受賞。 同年、第9回関東工芸士会 作品コンクール 入賞<
2013年 第25回江戸切子新作展 最優秀賞(経済産業省商務情報政策局長賞)受賞
2014年 第26回江戸切子新作展 最優秀賞(経済産業省商務情報政策局長賞)受賞
2015年 第27回江戸切子新作展 東京都知事賞 受賞
2016年 第28回江戸切子新作展 最優秀賞(経済産業省商務情報政策局長賞)受賞
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【座右の銘】
「堅忍不抜(堅忍不抜)」、意思を強く持ち、何があってもこの道を極める。
祖父から父へ。そして三代目となり受け継がれた江戸切子の技。伝統は日本の文化であり、次の代へ継承する役割を担っています。
伝統工芸士 鍋谷聰
鍋谷 聰デザイン商品
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プロフィール
1969年 生まれ。東京都出身。
1993年 父、鍋谷馨(東京マイスター、大田の工匠)に師事
1994年 カガミクリスタル入社
1996年 東亜硝子工芸株式会社 入社
2005年 第17回江戸切子新作展 東京労働経済局長賞 受賞
2008年 第20回江戸切子新作展 経済産業省関東経済産業局長賞 受賞
2010年 経済産業大臣指定 伝統的工芸品 伝統工芸士に認定<
2010年 第22回江戸切子新作展 経済産業省関東経済産業局長賞 受賞
2013年 第13回関東伝統工芸士会作品コンクール 関東伝統工芸士会会長賞 受賞
2013年 東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞 大賞(都知事賞)受賞
2015年 ロンドン在英日本大使館「Cut-Glass Accents」出展
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「意志のあるところに道あり。切子は正確に切り、良く磨くことで色とりどりの”光”を放つようになる。」鍋谷氏の生き様を表している作品たちは、どれもが無理のない美しいデザインと、几帳面なカットによって生み出されています。
江戸切子 伝統工芸士 林克美
林 克美デザイン商品
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プロフィール
1950年 生まれ。東京都出身。
1968年 父、正雄に師事
1989年 江戸切子新作展 優秀賞 受賞(以降多数入選)
1991年 東京都知事より伝統工芸士に認定
2005年 経済産業大臣指定 伝統的工芸品 伝統工芸士認定
2007年 江戸切子工芸士会 会長就任
2011年 日本カットガラス工業協同組合(現 江戸切子協同組合)理事長就任
2011年 江戸切子新作展 審査委員長就任
2012年 日本伝統工芸士会 幹事就任
2013年 江戸切子伝統工芸士選定委員長就任
2016年 日本伝統工芸士会 副会長就任
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「創り手から使い手に、心を込めてお届けする為に手を抜かない。」
平成24年に江戸切子として認定された平面研磨(平物)を中心に作品を作り出す林 克美氏。
大胆な平面のカットと、幾何学的で繊細な切子文様を組み合わせて、新しい江戸切子をお届けします。